*farsi.txt* For
Vim バージョン 7.3. Last change: 2010 Aug 07
VIM REFERENCE MANUAL by Mortaza Ghassab Shiran
ペルシア語マッピングと右横書き
*farsi* *Farsi*
{Vi にはない機能です}
*E27*
ペルシア語マッピングと右横書きを使うには、Vimをコンパイルするときに
|+farsi|
を有効にする必要があります。
これらの機能は Mortaza G. Shiran <shiran@jps.net> によって作成されました。
はじめに
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右横書きのファイルでは、画面の右から左へ向かって文字が表示されます。そのような
ファイルはペルシア語のドキュメントを書いたり、ファックスを作成したり、ペルシア
語のメモ書きなどをするときにとても便利です。
コマンド、プロンプト、ヘルプファイルなどはペルシア語ではないため、ユーザーイン
ターフェースは Vi 標準のインターフェースと変わりません。
特色
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o 普通に Vim を使うように右横書きのファイルを編集できます。
o 右横書きウィンドウでファイルを表示したり編集したりします。書字方向はウイン
ドウ単位で設定できます。そのため、同じファイルを右横書きと左横書きの両方で
同時に表示できます。
o 普通の Vim と互換性があります。ほとんどすべての機能は右横書きモードでも使え
ます。 (下記のバグを参照)
o キーマップと逆挿入モード (
|ins-reverse|) はコマンド 1 つで切り替えできま
す。
o 逆挿入モード (
|ins-reverse|) から切り替わったときに、正常な位置にカーソルを
移動します (それが可能な場合のみ)。
o ペルシア語モードでも、数字は左横書きで挿入されます。そして、数字以外の文字
が入力されると、その文字は数字の左側に挿入されます。
o 特別な端末は必要ありません。右横書き機能はハードウェアにはまったく依存して
いません。必要なのはペルシア語フォントのみです。
o コマンドラインでも、ペルシア語キーマップを使って逆挿入モードで入力できます。
o 左横書きモードと右横書きモードは F8 キーで切り替えられます。
o ペルシア語の ISIR-3342 標準エンコーディングと Vim Farsi は F9 ファンクショ
ンキーで切り替えられます。これは、右横書きのテキストに対してのみ意味をなす
ので、右横書きモードでのみ利用できます。
ペルシア語フォント *farsi fonts*
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次のファイルは '$VIM/farsi/fonts' ディレクトリ以下にあります:
+ far-a01.pcf Linux や Unix システムの X Windows フォント
+ far-a01.bf SunOS の X Windows フォント
+ far-a01.f16 Linux や Unix システムのスクリーンフォント
+ far-a01.fon Windows NT/95/98 の固定幅フォント
+ far-a01.com DOS のスクリーンフォント
フォントのインストール
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o MS Windows (NT/95/98) にフォントをインストールする場合
'コントロールパネル' から、'フォント' を選択します。'ファイル' メニューから
'新しいフォントのインストール...' を選択し、'far-a01.fon' を開きます。後は
インストールガイドに従ってください。
NOTE: この方法でインストールできなかったという報告がいくつかありました。解
決方法は分かりません。
o X Window System にフォントをインストールする場合 (Unix/Linux)
お使いのシステムに合わせて、far-a01.pcf.Z または far-a01.pcf.gz をインス
トールするディレクトリにコピーします。そのディレクトリに移動し、次のコマン
ドを実行します:
> mkfontdir
> xset +fp path_name_of_farsi_fonts_directory
o X Window System にフォントをインストールする場合 (SunOS)
インストールするディレクトリに far-a01.bf をコピーします。そのディレクトリ
に移動し、次のコマンドを実行します:
> fldfamily
> xset +fp path_name_of_fonts_directory
o ASCII スクリーンフォントをインストールする場合 (Unix/Linux)
Linux システムでは、far-01.f16 を /usr/lib/kbd/consolefonts にコピーし、
"setfont far-a01.f16" と、フォント設定プログラムを実行します。他のシステム
(SCO Unix など) では、システム管理マニュアルのフォントインストールの項目を
参照してください。
o ASCII スクリーンフォントをインストールする場合 (DOS)
システム電源導入後、最初に Vim を起動する前に、フォントアップロードプログラ
ムの far-a01.com を実行して、ペルシア語フォントをアップロードします。
使い方
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Vim を起動する前に、ペルシア語モードが実行できるように環境を設定してください。
ペルシア語フォントのインストールに加えて、いくつかのシステム環境では、キーコー
ドマッピング、ASCII スクリーンモードでのグラフィックカードのロード、IO ドライ
バの 8 ビット透過設定などを設定する必要があります。
o ペルシア語フォントを設定する
+ GUI では、
'guifont' に far-a01 を設定します。Vim のコマンドラインで
':set guifont=far-a01' と入力してください。
Vim を起動したときに自動的に設定されるようにするには、.vimrc ファイルに
':set guifont=far-a01' と書き加えます。
NT/95/98 プラットホームでは .vimrc ではなく _vimrc です。
X Window System では、'-fn far-a01' オプションで Vim を起動することもで
きます。
+ xterm で Vim を使う場合は、xterm をペルシア語フォントで起動します (例
kterm -fn far-a01)。そして、kterm内で Vim を起動します。
+ DOS で Vim を使う場合は、最初に Vim を起動する前に、フォントアップロード
プログラムの far-a01.com を実行して、ペルシア語フォントをアップロードし
ます。
o ペルシア語キーマップを有効にする
ペルシア語キーマップを有効にするには、
'altkeymap' または
'fkmap' を設定しま
す。それには、Vim のコマンドラインで ':set akm' または ':set fk' と入力して
ください。常にこの設定を使うには、':set akm' または ':set fk' を、.vimrc
ファイルに書き加えてください。NT/95/98 プラットフォームでは .vimrc ではな
く_vimrc です。
初期設定では第 2 言語としてペルシア語キーマップが使われますが、これを切り替
えるには、':set noakm' と入力して
'altkeymap' をオフに設定します。
o 右横書きのペルシア語モード
初期設定では、Vim は左横書きモードで起動します。ウィンドウの書字方向を変え
るには次の方法があります。
+ -F オプションを使って Vim を起動する (例: vim -F ...)。
+ F8 ファンクションキーを使って右横書きを左横書きを切り替える。
+ 左横書きモードのときに、コマンドラインで 'set rl' と入力する (
'rl' は
rightleft の省略形です)。
+ 常に右横書きモードで Vim を起動するには、'set rl' を .vimrc ファイルに書
き加えます。
エンコーディング
----------------
テキストのエンコーディングは ISIR-3342 を拡張したものです。Vim拡張ISIR-3342
と 標準ISIR-3342 は、組み込み関数で変換できます。
文章の可搬性のため、どのプラットフォーム (UNIX、NT/95/98、MS DOS、...) でも同
じエンコーディングが使われます。
o キーボード
+ 挿入/置換モードでは、
CTRL-_ でペルシア語 (akm) とラテン語を切り替えま
す。以下のように動作します。
+
CTRL-_ で切り替えると、編集モードで入力したテキストの最後の位置へカーソ
ルが移動します。
+ コマンドラインモードでは、
CTRL-_ はペルシア語 (akm) とラテン語のキーマッ
プのみ切り替えます。ペルシア語のテキストは逆挿入モードで入力されます。
+ F8 キーで左横書きと右横書きを切り替えられます。
+ F9 キーで 標準ISIR-3342 と Vim拡張ISIR-3342 のエンコーディングを切り替
えられます (右横書きモードでのみ機能します)。
+ ペルシア語キーマップはイランの ISIRI-2901 標準がベースになっています。
次の表は、ペルシア語(akm) モードが設定されている場合のキーマップです:
-------------------------------------
` 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 - =
<200d> ۱ ۲ ۳ ۴ ۵ ۶ ۷ ۸ ۹ ۰ - =
-------------------------------------
~ ! @ # $ % ^ & * ( ) _ +
~ ! ٬ ٫ ﷼ ٪ × ، * ( ) ـ +
-------------------------------------
q w e r t z u i o p [ ]
ض ص ث ق ف ظ ع ه خ ح ج چ
-------------------------------------
Q W E R T Z U I O P { }
ْ ٌ ٍ ً ُ ك َ ّ ] [ { }
-------------------------------------
a s d f g h j k l ; ' \
ش س ی ب ل ا ت ن م ک گ \
-------------------------------------
A S D F G H J K L : " |
ؤ ئ ي إ أ آ ة » « : ؛ |
-------------------------------------
< y x c v b n m , . /
< غ ط ز ر ذ د پ و . /
-------------------------------------
> Y X C V B
N M < > ?
> ِ ط ژ ر <200c> د ء < > ؟
-------------------------------------
訳注: 合成文字は表示のためにスペースと合成してあります。
訳注: farsi->unicode変換がよくわからないので微妙に違うところがあると思います。
訳注:
http://www.farsiweb.info/table/2901-unicode.txt
訳注:
http://www.farsiweb.info/table/3342.txt
Note:
<200c> はペルシア語の PSP を意味します (スペースなしの区切り)
<200d> はペルシア語の PCN を意味します (ハムゼ(HANZE)属性のため)
訳注: PSP (pseudo space)
訳注: PCN (pseudo connection)
制限事項
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o 挿入モードと置換モードで
'fkmap' (ペルシア語モード) がオンのとき、
CTRL-B は
使えません。
o ペルシア語とラテン語のキーマップを切り替えた場合、繰り返しバッファはリセッ
トされて空になります。つまり、同じモードにいる間だけ ('.'を使って) 最後の変
更を繰り返せます。
o ペルシア語モードで数字を入力すると、繰り返しバッファはリセットされて空にな
ります。つまり、数字を入力した後は、 ('.'を使って) 最後の変更を繰り返せませ
ん。
o 左横書きモードとペルシア語モードを使っているときは
CTRL-R は使えません。
o 右横書きモードでは、'ラテン語' のパターンを検索できません。しかし、パターン
を逆向きに書けば検索できます。
o コマンドラインモードでは、数字を左横書きで入力することはできません。さら
に、使いやすくするために、キーマップのロジックは制限されています。
o X Window System 環境の端末エミュレータ xterm で Vim のペルシア語モードを使
う場合、ANSI 互換の xterm を使う必要があります。これは、標準の xterm では、
文字番号が 128 より大きい文字は特別な意味を持ってしまうからです。
Note: X Window System 環境の GUI Vim では、ペルシア語モードはうまく機能しま
す。xterm などの他の端末エミュレータは必要ありません。
バグ
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挿入モードか置換モードでペルシア語モードをオンにして、カーソルを移動するのと、
文字を入力するのを何度か繰り返します。そしてアンドゥすると、カーソルを移動した
時点までしかアンドゥされません。しかし、何度もアンドゥすることで元のテキストま
で戻ることができます。現在行の変更をすべてアンドゥするために U を使うこともで
きます。
バグについては
|rileft.txt| も参照してください。
vim:tw=78:ts=8:ft=help:norl: