*gui_w16.txt* For
Vim バージョン 7.3. Last change: 2005 Mar 29
VIMリファレンスマニュアル by Bram Moolenaar
Vimのグラフィカルユーザインターフェース
*gui-w16* *win16-gui*
1. GUIを始める
|win16-start|
2. デフォルトエディタVim
|win16-default-editor|
3. クリップボードを使う
|win16-clipboard|
4. シェルコマンド
|win16-shell|
5. 特別な色
|win16-colors|
6. ダイアログとブラウズ
|win16-dialogs|
7. その他色々
|win16-various|
その他の関連文章:
|gui.txt| GUIの一般的な要素。
|os_msdos.txt| DOSとWindows共通の要素。
|gui_w32.txt| これに書いてある事の一部はWin16バージョンにも該当する。
{Vi にはWindowsのGUIは無い}
Win16バージョンのVimはWindows 3.1以降で動作する。3.0ではテストされていないが、
恐らく修正してコンパイルし直さないと動作しないだろう。(しかし、とにかく3.11に
バージョンアップするべきだろう ^^)
素晴らしいことにフラットスタイルのツールバーを含めて、ほとんどWin32のGUIバー
ジョンと同じ振舞をする。主な違いは以下の通り:
1) 再描画を高速化しリソース使用量を減らすために、太字と斜体のテキストは利用で
きない。(MSWIN16_FASTTEXTを定義しないでコンパイルすれば利用可能)
2) メニューの切り取りはエミュレーションしていない。
3) OLEインターフェスな無い。
4) (あたり前だが)長いファイル名には対応しない。
5) ツールバーのボタンにツールチップが無い - その代わりにメニューの項目が行なう
ようにコマンドラインへ表示する。
6) 一行の長さは32767文字に制限される。(16ビットDOSバージョンと同じ)
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1. GUIを始める
*win16-start*
Win16のGUIバージョンは、どんな名前で起動されたかなんておかまい無しに、いつも
GUIでスタートする。コンソールは存在しないが、DOS窓でDOSバージョンのvimを使うこ
とはできる。
Win16 GUIには拡張されたメニュー項目: "ウィンドウ/フォント選択" がある。これを
選択するとWindowsの標準フォント選択ダイアログが表示される。GDIの描画速度を最大
限に得るために太字と斜体フォントはサポートされていないことに注意。
メニューの高さはWin16 GUIでは設定できない。
*win16-maximized*
Vimを最大化して起動したいのならば、次のコマンドをvimrcかgvimrcに書き加える:
gvim.exeのバージョンにはWindows 3.1及び3.11のWin32sサブシステム下で動作するも
のもある。
|win32s|を参照。
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2. デフォルトエディタVim
*win16-default-editor*
Vimをあるファイルタイプのデフォルトエディタとして設定するには、ファイルマネー
ジャーの"関連付け"機能を使用する。
ファイルをダブルクリックしてVimを起動したときには、Vimはそのファイルのあるディ
レクトリへ移動する。
|notepad|も参照。
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3. クリップボードを使う
*win16-clipboard*
Windowsにはテキストを一時的に格納(コピー)し、取り出す(ペースト)できるクリップ
ボードがある。Vimでは幾つかの方法でクリップボードに対応している。
クリップボードはWin32バージョンと同様に動作する:
|gui-clipboard|参照。
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4. シェルコマンド
*win16-shell*
どんなDOSコマンドでも実行できるようにするために、Vimは外部コマンドを実行するた
めにDOS窓を作成する。このDOS窓は_default.pifの設定を使用する。
*win16-!start*
通常、Vimは外部コマンドの実行が完了するのを待つ(これはVimが使用する出力を生成
するコマンドを考えれば合理的である)。外部コマンドを実行してすぐに戻るようにし
たいならば、次のような方法がある:
これはWindowsプログラムにだけ利用できる。
Vimに戻っている間時にバックグラウンドでDOSコマンドを実行できるように、Windows
3.1xを設定するのを忘れないこと。
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5. Special colors
*win16-colors*
Win16では、通常のDOSでの色が使用される。
|dos-colors|を参照。
加えてシステムが構成している色を使用することができる。それらはSys_XXXとして知
られ、XXXの部分は下のリストに示される、割り当てられているシステムカラー名であ
る(完全な解説はWin32の文章を参照)。大文字小文字は区別されない。
Sys_BTNFace Sys_BTNShadow Sys_ActiveBorder
Sys_ActiveCaption Sys_AppWorkspace Sys_Background
Sys_BTNText Sys_CaptionText Sys_GrayText
Sys_Highlight Sys_HighlightText Sys_InactiveBorder
Sys_InactiveCaption Sys_InactiveCaptionText Sys_Menu
Sys_MenuText Sys_ScrollBar Sys_Window
Sys_WindowFrame Sys_WindowText
恐らく一番便利な値はこれらだろう
Sys_Window 通常のウィンドウの背景の色
Sys_WindowText 通常のウィンドウの文字の色
Sys_Highlight 選択されたテキストの背景の色
Sys_HighlightText 選択されたテキストの文字の色
他にもこの様な色も存在する:
Gray, Grey, LightYellow, SeaGreen, Orange, Purple, SlateBlue, Violet,
|rgb.txt|も参照。
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*win16-dialogs*
6. ダイアログとブラウズ
コンソールバージョンから受け継がれる伝統的なインターフェースはもちろん、さらに
Win16 GUIでは幾つかの操作に見慣れたWindowsのコンポーネントを使用することができ
る。
6.1 ダイアログ
その他のバージョンではコンソールベースで行われていた"confirm"ファミリ(すなわち
'confirm'オプションと
|:confirm|コマンドと
|confirm()|関数)で、GUIベースのダイア
ログが表示される。これを変更するオプションは存在しない。
6.2 ファイルブラウザ
ファイルを編集するコマンドの前に":browse"を付けると、存在するファイルを選択す
るためのウィンドウ選択ダイアログが使用される。
|:browse|を参照。
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7. その他色々
*win16-various*
*win16-printing*
"ファイル/印刷"メニューは現在のバッファを印刷するのにNotepadを使用する。これは
ちょっと不器用だが、ポータブルである。もしも他の何かを使用したいのならば、独自
の印刷コマンドを定義することができる。例えば、PrintFileの16ビットバージョンを
探すことができる。フォルトでどう働くかは$VIMRUNTIME/menu.vimを参照。
これも動作するだろう:
Vimでは多くのMS Windows標準の機能をサポートしている。それらの幾つかは別の場所
で説明されている:
|'mouse'|、
|win32-hidden-menus|を参照。
|:simalt|も参照。
*win16-drag-n-drop*
Vimのウィンドウに1つもしくは複数のファイルをドラッグ&ドロップすることができ、
それらは普通に開かれる。その時にShiftを押していると、Vimは(最初に)ドロップされ
たファイルのディレクトリに移動する。Ctrlを押しているとVimはそのファイルを開く
ために、新しいウィンドウを分割する。そうでなければ現在のバッファが、そのファイ
ルを開くために使用される。
ディレクトリのアイコンをドロップすれば、ディレクトリ内の全てのファイルを開くの
ではなく(普通これは望まれる動作ではないだろう)、Vimはそのディレクトリに移動し
新しいファイルの編集を開始する。
コマンドラインの編集中には、ドロップされたファイルやディレクトリの名前がカーソ
ルの位置に挿入される。これによりどんなExコマンド中にもこれらの名前を使用するこ
とができる。
*win16-truetype*
TrueTypeの固定ピッチフォントではなくラスターフォントを使うことが推奨される。例
えば、Couier NewではなくCouierを使う。これはリソース使用量を減らすだけでなく、
Win3.1xの固定ピッチTrueTypeの取り扱いには微妙なバグが存在するからである。とり
わけパイプ文字 '|'の上をカーソルが移動した時、カーソルが間違った大きさで少し左
にズレて描画される。これはWin3.1x GDIのバグで、同じexeファイルを95/NTで実行し
た時には再現されない。
vim:tw=78:sw=4:ts=8:ft=help:norl: